院長が「内視鏡」を選んだ理由
掲載日 : 2026/01/28
皆さま、こんにちは。広島市安佐南区緑井にある山東クリニックの院長です。
前回のブログは少ししんみりしたお話をしましたが、今回はガラッと変えて、私がなぜ消化器内科、そして胃カメラ・大腸カメラといった内視鏡の世界に進んだのか、ということを書いてみます。
ブラック・ジャックへの憧れと外科の父
先代院長である私の父は、生粋の「外科医」でした。
そんな私が小学生のときに読み耽っていたのが、手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』です。 「自分もいつか、神業で病を治したい」……そんな情熱を抱き、自然と消化器領域に惹かれていきました。(ブラック・ジャックとは違って、ちゃんと医師免許を取得して適正価格で診療しています。なんなら消化器病専門医や内視鏡専門医もちゃんと取りました。)
医学生後半になると、1年以上かけて様々な診療科を回る「病院実習」が始まります。 いよいよ外科を回った時、父の同僚だった先生方から話を聞く機会がありました。そこで初めて実際の父の働きぶり聞いて、「ただの無口な態度の悪いおじさんではなかったんだ…」と思った事を今でも覚えています。
外科の先生方の働きぶりは本当に凄まじく、忙しすぎて学生に説明する時間がとれない日も多々あるようでした。実際の手術見学では、長いものだと7時間を超えることもあります。その間、ずっと立ちっぱなし。 以前Instagramでも少し触れましたが、私は昔からお尻の状態がよくないという爆弾を抱えていました。数時間の立ちっぱなしの手術は、確実に私のお尻を破壊していき、血に染まったトイレを見て
「外科医への道は、お尻がもたない……」
そう悟りました。
運命の出会い
そんな絶望(?)の淵で出会ったのが、消化器内科の内視鏡実習でした。 初めて胃カメラの操作ハンドルを握った瞬間、電撃が走りました。
「 自分はこの装置のために生まれてきたのだ!」
大げさではなく、手に吸い付いて、自らの手足のようなフィット感があったのです。 昔は狂ったようにゲームに没頭していた時期があり、モニターに映る映像を見ながら手元のハンドルを操作する感覚は、まさにゲームそのもの。説明を受けずとも、直感的に操作方法が分かってしまったのです。
さらに衝撃的だったのは、その効率の良さです。 外科で数時間かけて手術していた癌が、早期に内視鏡をすれば数分、数十分で、しかも体にメスを入れずに完治させてしまうこともある。 術後の痛みや合併症に苦しむ患者様を見た私にとって、「切らずに治す」内視鏡はまさに魔法のように見えました。そして何より、一人あたりの処置時間が(外科手術に比べれば)短く済むことは、私のお尻にとっても救いの神でした。
とにかくこの機械を使って、癌のタネを取り尽くせば、胃癌や食道癌、大腸癌であんなに苦しんでいる患者さんを減らすことが出来る。そう信じて私はこのスコープ道を突き進む事になりました。
研鑽の日々、そして緑井の街へ
そこからはもう内視鏡の虜です。 初期研修を過ごした東京都立多摩総合医療センターは、24時間ひっきりなしに救急車が来る超多忙な病院でしたが、そこで救急医療と内視鏡の基礎を叩き込まれました。 その後、帯広第一病院で高度な手術を手掛け始め、多摩北部医療センターでは年間100件以上の高難易度手術を執刀し、最高難易度とされる十二指腸の内視鏡手術も手がけるようになりました。
父の急逝で急遽開業医となる決心をして、今はここ安佐南区緑井で消化器癌根絶を目指して検査・治療に勤しんでいます。命を蝕む癌のタネたちが育っていかないよう、日々皆様の体の内側をパトロールさせてもらっています。
毎月100件近くカメラの検査を徹底した鎮静管理で行っていますが、既に何人も癌が見つかり、早期癌の根治や外科手術へのステップアップに繋がったりしています。
本当に地道な仕事ですが、確実に癌が治療できて、体から消え去った事を確認出来た時の患者様の安心された表情が、いつでも僕のガソリンになります。
一生飽きない、唯一無二の仕事
内視鏡の世界は、非常にネチネチとしていて、細かく、奥が深いものです。 けれど、自分の指先の感覚が、そのまま患者様の「がんの早期発見」や「命を救うこと」に直結します。
安佐南区緑井の皆さまの健康を守るため、私は今日も、この手に馴染んだカメラとともに、癌に立ち向かっていきます。 検査は鎮静剤を使ってしまえば、実際にはほとんど辛くないので、胃カメラ・大腸カメラに不安がある方も、ぜひ一度ご相談ください。磨き上げた技術で、できる限り楽に、そして正確に検査・治療を行うことをお約束します。