胃カメラ・大腸カメラ

内視鏡検査についてendoscopy

内視鏡検査

胃カメラ・大腸カメラと聞くと、とにかく辛いというイメージがあるかと思います。当院では適切な呼吸・心拍モニタリングを行いながら静脈麻酔を行い、可能な限り苦しくない検査を心がけています。麻酔薬を使用した患者様の大多数に「よく眠ってました」「これならもっと早く受ければよかった」「またここで受けます」とおっしゃって頂けております。

※お酒を普段飲む量や、常用薬によっては、残念ながら麻酔が効きにくい方もいます。

  • 広島市胃がん検診では麻酔薬は使用できません
  • 麻酔後は2~3時間休んでからご帰宅頂きます
  • 麻酔をする時間のない方向けに、鼻からの細いカメラもあります

胃カメラ・大腸カメラ 当院アンケート結果

検査が苦しくなかった

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結果説明が充実していた

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またここで検査を受けたい

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2024年度 患者様匿名アンケート結果より

初めての方は心配な事も多いと思うので、外来で相談しましょう。
大腸カメラの下剤を2Lも飲む事が耐えられない、といった方のために下剤すら飲まなくてよい人間ドックコースもあります。

さて、どうして麻酔をしてまで内視鏡検査を受けなければならないのでしょうか?それは、早期の食道がん・胃がん・大腸がんを発見・治療することができるのは胃カメラ・大腸カメラだけだからです。

ポリープ

①内視鏡で切れます

ポリープ

②内視鏡で切れます

ポリープ

③外科手術 or 抗がん剤

大腸がんを例に見てみましょう。①の小さなポリープは腺腫という「がんのタネ」です。②の大きなポリープはタネの一部が早期がんになってしまったものですが、ここまでなら内視鏡での切除が可能です。しかし、がんが大きくなり進行がんになると③のような「がんのカタマリ」となり、こうなると内視鏡では治療は不可能になります。厄介な事に、小さなポリープだけでは全く症状はなく、進行がんになって初めて便秘や血便といった症状を出すのです。

進行がんがその場に留まっていれば外科手術で根治が目指せますが、全身に転移していると、残念ながら現代医学では根治はできません。つまり、どれだけ早い段階で病気を見つけて、素早く治療ができるか、という事ががん治療の一番大事なポイントで、そのためには内視鏡が必須なのです。

胃カメラ

どんな時に受ければいい?

  • 胃が痛い
  • 胸やけがする
  • 食事が妙に喉でひっかかる
  • ピロリ菌を指摘された
  • バリウム検査で異常があった
  • 貧血がある
  • 便が黒くなっている
  • 嘔吐する

これらに該当する方はお早めにご相談ください。
その他にも、飲酒や喫煙習慣のある方、ご家族にがんと診断された方がいる方なども検査が推奨されますので、内視鏡ドックなどもご活用ください。

どれくらいの頻度で受ければいい?

ピロリ菌がいる・除菌した方は1~2年に1回は検査を推奨しています。ピロリ菌がいない事が確認できている方は、4~5年に1回のドッグなどが推奨となります。

検査の流れは?

検査当日の朝は食事なし

検査当日の朝は食事なし
※食事をすると検査不可

午前中に来院

午前中に来院

麻酔・検査

麻酔・検査

2~3時間休んで帰宅

2~3時間休んで帰宅

検査当日の朝は食事をしないで来院いただき、基本的には午前中に検査を行います。食事をすると検査はできませんのでご注意ください。麻酔を使った後は2~3時間休んで昼頃にご帰宅いただきます。

検査後早く帰れますか?

麻酔を使用しないで検査をすれば早めにご帰宅頂けますが、検査は苦しくなります。鼻からの細いカメラを使えば、少し楽に検査が受けられます。その代わり検査の精度は少し落ちます。

院長の早期がん治療実績

胃がん

ピロリ菌を除菌したにもかかわらず3つも早期の胃がんが出来ていました。普通は一つずつ手術しますが、病変が近かったのでまとめて一回で切除しました。90分で手術は終了し、現在も元気に生活されています。

食道がん

飲酒と喫煙を長い間続けた結果、食道がんが出来ていました。奥行きも5cmと広い範囲にまたがっていましたが、幸いまだ早期のがんで、削り取ることが出来ました。60分で切除し、根治が出来たのでお酒とタバコは卒業され、定期的に検査を受けて頂いております。

大腸カメラ

どんな時に受ければいい?

  • 血便がある
  • 下痢が続く
  • 便秘がひどい
  • 便が細くなった
  • お腹が痛む
  • 便潜血を指摘された

その他にもご家族に大腸がんの方がいる場合はご相談ください。
2022年時点では、女性の死因として最も数が多いのは大腸がんです。40歳を超えたら一度は検査をご検討ください。

どれくらいの間隔で受けたらいい?

大腸がん術後は1年後に再検査をしましょう。大きなポリープがあった場合やポリープがたくさん見つかった場合も1~2年程度での再検査が無難です。小さなポリープが2~3個程度であれば3~5年は様子をみても良いとされています。全く異常がなければしばらくは検診・ドックなどを続けましょう。

検査の流れは?

前日夜に薬を服用

前日夜に薬を服用

当日朝に下剤2Lを内服

当日朝に下剤2Lを内服
便がキレイになるまでトイレへ
※自宅で行います

便がキレイになったら病院で検査

便がキレイになったら
病院で検査

2~3時間休んで帰宅

2~3時間休んで帰宅

検査の2~3日前から食物繊維や乳製品を控えた食事にしましょう。前日の夜は検査食(自費でご購入頂きます)を召し上がって頂き、腸を刺激する薬剤を内服します。当日は朝からご自宅で2Lの下剤を2~3時間かけて内服し、トイレで排便がキレイになったらご来院頂き、お昼すぎから検査を行います。

検査後は麻酔が覚めるまで2~3時間休んでご帰宅頂きます。ポリープを切除した場合は、2週間程度すれば顕微鏡検査の結果が説明可能となります。

検査前後で気をつける事は?

すでに大腸がんで便がつまりかけている場合、下剤の内服で腸が破裂し致命的となる可能性があります。検査前にかならず診察を受け、重度の便秘などがないかをチェックしましょう。ポリープを切除した後は2週間程度出血する場合があります。飲酒や激しい運動は控えて、血便が出た場合はすぐに当院にご連絡ください。

下剤の内服がとにかく辛い

下剤の内服を省略できる人間ドックコースが当院にはあります。ポリープ切除は出来なくなりますが、できるだけ楽に検査を受けたい方はご相談ください。

院長の早期がん治療実績

早期直腸がん

肛門に飛び出るように進展する早期直腸がんです。外科手術ではほぼ確実に人工肛門となってしまいますが、内視鏡で1ミリ以下の細かさで手術することで、人工肛門を回避して根治ができました。手術時間は60分程度で、その後も再発なくお元気に過ごされています。

早期がん

便潜血検査が陽性となった50代女性の検査では画面を埋め尽くすほど大きい早期がんが見つかりました。少し前の時代なら外科手術でしたが、60分ほどの大腸カメラで手術は終わりました。幸いな事に、まだ浅いがんだったので根治することが出来ました。

院長

消化器内科医として、最も悔しい思いをするのは、進行がんが見つかった時に患者様が「もっと早く検査をしていれば」と後悔されるシーンです。そんな悲しい事がこの地域で起こらないためにも、当院では内視鏡を用いた早期発見・早期治療を診療の主軸として、日々診療に取り組んでいます。

少しでも症状のある方、心配な方は検査の相談を一緒にしましょう。