頭(頭痛・めまい)

脳のイメージ

脳は体の司令塔です。トラブルがあれば全身に症状が出る場合もあります。
脳梗塞や脳出血と、怖い病気はキリがないですが、過剰に不安になることは体に逆効果です。
心配な症状がでたらお早めにご相談ください。

万が一下記に該当する場合は救急要請を検討してください。

突如として起こる経験のない強烈な頭痛
(バットで殴られるような痛み)

手足が動かない・しびれる・
呂律が回らない・嘔吐を伴う

発熱を伴い首を動かすと痛みが強くなる

普段と違う変な呼吸
(いびきをかいて目を覚まさない、など)

気を失ったり、ぐったりしている

心臓のあたりも強烈に痛む、脈が乱れている

これらの症状がない方はごゆっくりこのページをお読みください。

頭痛

頭痛のイラスト

すべての頭痛は不快なものですが、大きく分けると「危ない頭痛」「危なくはない頭痛」に分けられます。「危ない頭痛」は、普段と違う強烈な痛みや、神経の症状(手足が動かない、はきけ、意識がはっきりしないなど)、発熱といった危険信号を伴います。
原因は非常に多岐にわたるため、ここでは省略しますが、基本的に大きな病院での精密検査が必要になる場合が多いです。

一方で「危なくない頭痛」とは、危険な病気は隠れてないのに繰り返されやすい頭痛になります。多くの方はこちらのタイプのうちのどれかに該当します。

片頭痛

最も有名ですが、発症する人は8%程度とさほど多くありません。
しかし、頭痛外来のうち半数程度の方が片頭痛と診断されます。
つまり、病院に行くくらい辛い症状をおこしてしまう頭痛なのです。
名前の通りどちらか片方の痛みが多いですが、両方痛い場合もあります。
変な光や模様が見える、などの前兆があるため、初めて発症した方はびっくりして受診されることが多いです。
音や光に敏感となり頭痛が悪化するため著しく生活に支障をきたします。
まれに脳梗塞と紛らわしい神経症状も出現するため病院での診断が重要です。

緊張型頭痛

あまり有名ではないものの20〜30%の方が経験される最も多いタイプの頭痛です。
いわゆるストレスでの頭痛で、男女関係なく発症します。
頭の後ろのほうが両方とも締め付けられるように痛くなることが多く、片頭痛のような前兆はありません。
ストレスや睡眠不足、長時間のデスクワークやスマホ操作がリスクとなるので、働き盛りの方にも多い嫌な頭痛です。
頻回に繰り返し重症化する方もいます。 いわゆる頭痛のタネが少ない生活を送りましょう。

群発頭痛

0.1%以下と一番珍しいですが、一番痛い頭痛です。 目をえぐられるような痛みが定期的に連続して襲います。
圧倒的に男性に多く、あまりの激痛に涙や鼻水が止まらないといった症状も出ます。専門的な治療が必要となる事が多いです。

☆繰り返す頭痛は痛み止めでの治療を継続しますが、薬によっては腎臓を痛めるため注意が必要です。市販薬も注意が必要なので定期的に診察を受けましょう。

めまい

めまいのイラスト

一言に「めまい」といっても感じ方は人それぞれなため、診断が難しいものも多いです。
不整脈や血圧変化でめまいがする事もあるため、「普段と違うめまい」が出現した場合は基本的に受診をご検討ください。

脳梗塞・脳出血

一番怖いのは、やはりこれではないでしょうか。
軽い症状でも検査をしてみると小さな脳梗塞であった、という事もしばしば経験します。
通常は脳の血管が詰まった・破けた、というきっかけがあるため、このタイミングで悪くなった、という自覚が多いです。
症状は千差万別なので「急にいつもと違う変なめまいが出てすこぶる体調が悪い」場合は早めに脳外科や救急を受診をしてください。
脳梗塞の治療は1分1秒を争うため、当院でも疑った際は直ちに連携医療機関に搬送を行っております。

怖いめまいを挙げるとキリがないので、次からは頻度の高い怖くないめまいをいくつか紹介します。多くの方々はこちらのパターンです。

良性発作性頭位変換性めまい(BPPV)

長い名前ですが、耳の中にある平衡感覚を感知する石(耳石)が変な所に飛び出してしまった状態です。
耳石が脳に体の姿勢を伝えているのですが、これがズレてしまい、目と耳の情報が混乱してグルグルと目が回ります。
頭を動かすたびに目がまわり、じっとしてるとすぐに良くなるを繰り返すのが特徴的です。
石を元の位置に戻す処置や、めまい体操などで改善を目指しますが症状が1ヶ月続く人もいます。

メニエール病

有名なめまいで、耳鳴りや難聴が出てめまいがします。
耳の中の組織がむくむことで発症しますが、原因は詳細にはわかっていません。
軽度の方はストレス・生活習慣を改善させることで症状が落ち着く場合もありますが、むくみを取る薬や漢方薬を飲んでも良くならない場合は専門的な機械での治療や手術といった治療が必要になる方もいます。
繰り返す方が多く、「いつものめまい」となる事が多いです。

突発性難聴

普段はめまいがないのに難聴やめまい症状が出た場合に注意すべき病気です。
命に関わることはほぼないですが、治療が遅れると難聴が生涯にわたって残ります。
メニエール病と似ている部分も多く、最初は違和感程度の事も多いため早期の治療にたどりつけない場合が多いです。
当院でも疑った場合は耳鼻科に紹介し専門的な聴力検査を受けて頂き治療方針を決定しています。

院長

頭の症状はどんなものであっても不安が強くでます。普段と異なる症状が出る場合は、あまり我慢せず受診をご検討ください。また、痛み止めを継続している方は副作用リスクがあるため、定期的な血液検査もご検討ください。